現在、飲食業では新型コロナウイルスの影響がこの記事を最初に公開したときよりも深刻な問題となっています。
2017年頃はニュースで人手不足により外食チェーンの求人へ影響を与えておりました。これは日本全体における問題でもありますが、サービス業の求人票が多く出回っている状態でした。
また、人を確保できずにワンオペや無理な労働をさせるお店も多数あり、問題となっておりました。
しかし、2020年に入り、中国武漢から始まった新型コロナウイルスによって外食をしなくなり、人手不足よりも深刻な経営難へとなる飲食店が多数になりました。
そんな飲食店の状態を2017年の記事をもとに対策を考えていきたいと思います。
2017年〜2019年まではインバウンドの影響で人手不足深刻
2017年くらいからインバウンドという訪日外国人が増え、中国人による爆買なども行い、経済としてものすごく良い状態になりました。
そして、政府が進めていた政策の1つにもなっています。多くの外国人に日本に来てもらうことで消費に繋がり、経済が発展していくという考えです。
クールジャパンなどの政策や観光業では様々な外国人向けのツアーやプランが企画されてきました。
しかし、経済が発展するという中で大変な業界があります。それは、外食サービス業です。外食サービス業は食べ物を扱っているお店のことですが、人手不足によりお店が回らなくなっている企業も多く存在します。
冒頭でも紹介しましたが、人手不足によるワンオペや無理な労働でどうにか耐えている企業もたくさんある中で、インバウンドが食事をするようになるとどうなのかということです。
飲食店は通常のピーク時でも忙しいところは忙しい中、インバウンドがたくさん観光地に集まることによって、もっと忙しくなります。
つまり、多少の売上は期待できますが、それ以上に機会損失などの問題も増えることになります。それだけではありません。従業員の不満がたまり、辞める人が続出すればお店が立ち行かなくなることも考えられます。
それを防ぐために賃金を上げている飲食店も、増えつつあります。しかし、都市部がメインになっているので、地方では期待できない部分もあり、人手不足はもっと深刻なものになるでしょう。
今では働き方改革が行われているなどもあり、今までよりも働きやすい環境もでき始めています。それではまだまだ改善の余地はありますが、段々と労働者目線のお店が増えていくことも考えられます。
今は昔の考え方では乗り切ることはできません。従業員を安く使う時代は終わりを迎えようとしています。労働者を守る法律も多数あっても、そこまで知識を持っている人が少なかったため、使いやすかったのはあります。
でも、今の年代ではブラック企業など従業員を食い物にするような企業が増えてきている中で、法律を勉強して対抗するか、行政が行っている労働基準監督署などの利用も増えています。それは、自分たちで環境を汚したことによりツテが今頃まわってきています。
なぜ、飲食店で働こうとしないのか
飲食業はどちらかというと忙しく大変なくせに給料が安いというデメリットもあって、求人があっても応募してこない状態になってしまうことも多いです。
また、サービス業ともありクレームなどの精神面も結構なものと想像されることも多く、なかなか人材を確保することが難しいです。それだけでなく、労働として大変なのがご飯を食べていっていると見えてくるというものあるでしょう。
中身の見えない業種だと想像で求人を見て応募することがあるので、一定数の応募があったりします。
しかし、飲食業は仕事内容がオープンであるという部分と自分たちの生活と密接な関わりがあるので、なかなか働こうと考える人が少ないのではないかとも考えられます。
対策案はないのか
では、人材を確保するためにはどうするのかというと、給料とは別の場面で有利な制度を考えることです。
どうしても飲食業は利益率が悪いことも多く、あまり高くしてしまうとお客さんが来店しなくなり、逆に売上が減るという問題もあります。
そのため、最低限の金額で料金を提供しているお店も多く、多くのお客さんが来店しても売上はあったとしても、そこから固定費(人件費、光熱費、家賃等)が惹かれ、本当に残る金額は微々たるものになります。
だからこそ、なかなか賃金があげられないという問題がありますが、そこで解決をできないのであれば、なにか別の制度で補ってしまえばいいのです。
例えば、よくあるのが食事補助とかです。これもうまく制度が伝わっていないと魅力な部分として捉えてもらえません。
実際にこの制度はとてもいいことなのです。生活をしていく中で消費が多いという部分は食費ですから。その食費を浮かせられると考えればとても魅力な制度の1つではないでしょうか。
しかし、これだけでは難しいでしょう。特に今の10〜30代の方には別のアプローチも必要になります。この年代は環境を大切にすると言われています。
なぜ、新卒の退職率が高いのかというと、労働環境や会社のやり方に疑問を感じたり、良くないと思ったことが積もりに積もってやめる選択を選ぶことになるのです。
つまり、労働環境を変えるという選択が必要になっていきます。現在の状態では長く働く長時間労働などの労働環境を拒む時代になっています。
また、不効率な運営などがあれば見直していく必要があります。その見直しをするときに必要なのが疑う力です。
普通の目線で見ていれば、なんとも問題ないことでも疑ってみてみると意外とやらなくてもいいことや逆にやったほうがいいことが見えてくるはずです。
また、経営戦略も必要になります。人間は一度の成功体験を忘れることができずに最初はこれでうまくいったと思いながら進みますが、それが時代とあっているのかというとそうではないというのを後から気づくものです。
企業が今後の戦略を時代に合わせたものにしていく必要があり、それが対策につながっていくのです。
2020年の飲食産業の現状
この記事内では飲食産業の現状について2017年〜2019年の状態を加味して紹介しておりましたが、現在の飲食業は新型コロナウイルスの影響により人手不足などの問題を通り越し、経営危機に立たされているというのが現状です。
飲食業は冒頭でも紹介したとおり、人が集まりにくく給料が安いわけですが、それには理由があるわけです。
飲食業は他の業種と異なり必要である材料(食材)の使用期限が短いものを扱うことが多いため、ロス(廃棄)が多いわけです。そのため、定期的にお客さんが来てくれないと食べ物が駄目になります。
それが今回のコロナショックでは大きな損害を与えているだけでなく、あけていてもお客さんは来てくれない。でも、固定費はかかってしまうというところで利益が少ない飲食業は窮地に立たされています。
また、変動費もかかるわけです。運営をしていくだけでも、それなりのお金が飛んでしまうわけです。開けていれば変動費と固定費がかかり、閉めていても固定費がかかるという状態です。
固定費とは、毎月必ず掛かる支出部分のことです。
飲食店経営の場合だと、以下のものが固定費に当たりますよ。
地代・家賃
減価償却費
支払い利息
リース料
光熱費の固定契約料
正社員の人件費変動費とは、その月によって支出額に変化がある項目のことです。
飲食店における変動費は、以下の項目が挙げられます。
食材の原価
パート・アルバイトの人件費
光熱費
販売促進費
消耗品費引用:okageシリーズ
東京オリンピックが延期をされていますが、そのオリンピックまで飲食業が耐えられるかというと難しいというのが現状です。
そんな中で政府は貸付等をするといっていますが、その貸付もいつまで継続されるのか、その借りたお金をいつ返せるのかは今の段階では不明瞭です。
そんな状態で不安が先行してしまっているのも事実です。それだけでなく、アルバイトなどのシフトも減り、労働者側にも大きな影響が出ています。
今できることは
今できることとしては地域間で協力をして飲食店同士で残り続けることです。どうしても1つの飲食店だけでは、力が弱いですし集客も難しいのが現状です。
そんな状態を打破するためにも飲食店同士で協力をしてお持ち帰り弁当を提供したり、出前をしたりと対策をしていくしか道がなさそうです。
現在の状態では政府の支援があてにならない状態ですので、自分たちでできることを考えていかなければいけません。
そして、外出自粛の中でも食べ物だけは必要になってくるものです。それをどうにかして届け、ロスを減らしていくことが最善の道としか思えません。
本当に大変な状態で耐え続けることは難しいですが、その中でも知恵を絞り、どうにかしていかないと行けないみたいです。
これに関しては、一般の方でもできることだと思います。自分のお気に入りのお店が危機的状況を手助けするという気持ちで発信し続ければ、現状が変わるかもしれません。
まとめ
今回の記事では以前の内容と混ぜ、最近の内容も記載してきました。以前では、モチベーションやどうにかして確保するための秘策を考える必要があります。
例えば、意識を変えていくことで前よりもモチベーションがあがり企業としてはとてもいい状況になったというのもあります。
2020年の現在では、どうにかして厳しい現状を知ってもらうことや、協力をしてお互いに生き残るという知恵が必要になっているという話をしました。
ここでいえるのは、今の現状を疑って行動していくことが企業に求められることではないでしょうか。
日常というのは日々変化します。それに企業も変化し続けられるのかで、今後の働き方や環境がいいものになっていくことでしょう。